読み始めたらなかなかとまらない本というのは私にしてはそんなにはないけれど、
これは久々に止まらなかったです。
河合隼雄さんの「ユング心理学と仏教」
きっかけはNHKで放送された「100分de名著」で河合さんの回を見て。
よくぞこの本を最後に取り上げてくれたと思いました。
というのは
河合さんの本は相当出版されていますが、私が読むのは
仕事と関わりのあるカウンセリングや心理療法系の内容、夢やアーキタイプ、物語についての本、
ユングのことを書いた本、軽いエッセイあたりまで。
このタイトルからして難しそうだし、自分とは関係ない内容かなとか
そのくらいで手をつけることはありませんでした。
しかし、テレビを見て、十牛図のことを書いていたのかということで興味を持ち、
さらに心理療法での非個人的関係についても興味を持ち、
図書館で予約しました。
が、テレビの影響か貸し出し中なので、予約したまましばらく忘れていて
最近になって借りることができたのでした。
でも、この本は今まで読んだ河合さんの本の中でも
私にはなかなかの衝撃度でした。
そもそもこの本はアメリカでのフェイ・レクチャーに招待されて講演をおこなった内容を本にしています。
アメリカのユング派の方々を前に話をするということで
日本ならではのテーマの中から選んだ仏教になったけど
もともとは「心理療法における非個人的関係」について話したいということでした。
この講演をおこなったのは1995年の3月なのです。
この年の1月に阪神大震災、講演の少し前にサリン事件がありました。
河合さんはこのとき67歳です。
この年齢ぐらいになって、長い臨床経験を積んできたからこそ得ることができた
自分のクライエントとの関わりの変化や在り方を仏教をとおして話されているのですけど、
とても個人的な話のように感じました。
それは最初のほうにも書かれているけど
『仏教の考えを頼りとして心理療法を行うとか、ユングの考えと仏教の考えを比較検討したりすることを
最初から意図して書かれたものではないことをはじめに明らかにしておきたいと思います』
というようにむしろ、河合さんと仏教との関わりや心理療法の仕事の中での経験から気づきを
深めていった経緯が中心であるようです。
なので過去のいくつかのケースや出来事について書いていても
「そのときは気づかなかった」とか「まだ自分はこうだった」のような表現をされていて
河合さんでもそのようなことがあるのかと思いました。
60代という(70近くになっていたけど)こともあり、老賢者的なアーキタイプを読みながら
感じていました。
途中、仏教の話は難しいようにも感じたものの、かなりわかりやすく書いてくれていると思います。
とくに最初から興味があった「心理療法における個人的・非個人的関係」という章はすごいです。
この本を私のブログを読む人にオススメというわけではないのですが、
ある程度、人の支えとなる側の仕事をしてきて、長期的にクライエントと関わる場合
自分の在り方というか、関わり方について考えたいという人にはオススメだと思います。
ただ、河合さんの状態になるにはちょっとなれないでしょう。
読みながらも、私は仏教について詳しくないものの
先日読んでいたアメリカ先住部族の考え方にも似たところを感じたりしました。
それは西洋的に白黒ハッキリさせることなく、矛盾をかかえたままでいることや
何がよくて、何が悪いという考えもないところ。
私としてはもう少し何回か読みたいと思いました。
そのくらい深い内容です。
読んでそのまま理解するという内容ではなく、
何度か読まないといけないなと思う感じです。
でも、今の自分にはとてもタイムリーな内容でした。
十牛図については占星術家の松村潔さんも本を出されていて
なんかすごく難しそうと思って読んでいなかったけど、
やっと興味が持てました。(おそい・・)
写真は河合さんが仏教の師匠とする明恵がいた京都の高山寺に昔、行ったときの写真です。
ちょうど9月の残暑がまだある暑い日でした。
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