タローカードの「タワー」は見るからにこわい感じがします。
塔が壊れて、上から人が落ちているような絵ですから。
この経験って
たとえば事故とか自然災害とか予期せぬ不運なことを連想しますが
実際は悪いことがおこるよという意味ではなく、
解放するという意味のようです。
サインの度数でも16度は「壁が打ち破られる」
『占いでこの塔のカードが出た時は不吉なイメージを持つ人がいるかもしれませんが、
たいていの場合、そうではありません。
多くは壁を打ち破り、限界を突破することにつながります。』
「ディグリー占星術」松村潔 説話社
朝のテレビで女優の吉田羊さんが出ていて、
最近出演された映画の話をしていました。
吉田さんはキャリアの長いベテランの女優さんです。
その彼女がその映画に出るにあたって
監督から何度もダメ出しされ続けたそうです。
その話をしていて
最初に彼女は監督にこう言いました。
「監督が望むように演じます」と。
それを聞いて監督さんはムカついたらしく、
笑いながら「ムカつく」と言ったとか。
監督さんにとっては演技者は監督の操り人形ではなく、
共に作り上げていく存在であるので
そのように言われたことは彼女が甘えていると感じたそう。
吉田さんはこれまでそれが当たり前のことだと思っていたと言います。
そして、この映画によってとことん今までのやり方が通用せず
これまで身につけたものをはぎとったかのようだったということです。
それを見ながら、その映画のタイトルでさえ覚えていないのですが(^^;)
これってタワーのような経験だなあと思いました。
それまで当たり前のように思っていたことや長いキャリアで身につけたことを
新しい自分として先に行くには捨てなくてはならないか、いったん白紙にしないと
いけないことがあるとも言えます。
人はなかなかそれをしませんから、不運と思えるような経験になってしまうのかもしれません。
本人的にはどちらをとってもしんどいけど
壁を越えるのは、圧がかかりますから覚悟しておくのと抵抗するのとでは
痛みの度合いも違うかな。
塔は高く昇っているわけですから、長く続けてきたことやある程度の年齢になっている状態です。
高ければ高いほど、それも大変なことでしょう。
でも、それを考えながら、自分にとって当たり前だと思っていたり、
長い間身につけてきてしまったものについて振り返るのもいいかもしれないと思いました。
私自身、タワーをどう使うのかよくわからないところがあり、
受け身的にやってくる状況なのかとも思ったりしたけれど、
確かに、そのようなこともあるけど
能動的に使うためのヒントになりました。
自分にとって壁となるような人物は実はとてもありがたい存在です。
心ではムカムカするかもしれませんけど。
アスペクトだとスクエアのような関係でしょうかね。
実は魂としては成長でしかないのです。
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